2015.8
 

 


File number 002

遠州七不思議の1つ「子生まれ石」

「子生まれ石」は、静岡県牧之原市西萩間にある大興寺の裏山にある石で、遠州七不思議の1つとされている。


静岡県の相良町、東名高速の相良牧之原ICを降り、国道473号(金谷御前崎連絡道路)を御前崎方面に進む。

西萩間ICから、国道473号を「さがら子生れ温泉会館」の看板に沿って向うと、「子生まれ石」標識がある。

相良牧之原ICから「子生まれ石」までは、車で約10分。

東海の名刹大興寺は、今から六百年前に大徹和尚によって開山された。
大徹和尚は仏道を説くかたわら、石に関する学識も深く 「那須の殺生石の謎を解いた名僧」 としても語り伝えられている。

人徳の高かった和尚は、九十余才の高齢で多くの門弟に見守られて静かに大往生をとげようとしていた。
惜しまれ逝く和尚は「わしの身代わりとして裏山より石が生れるのであろう」と予言したしたのだった。

事実、往生直後、岩中よりまゆ型の無縫石が落下した、以後現代に到っている。
廿九代住職代々の住職の往生直後に石が生れ出ている。
この無縫石を「子生れ石」と名付け、長寿、子授け、安産の石といわれ ひょうたんに似ている事から 縁起のよい石として信仰を集めている。

と言うのが、遠州七不思議の「子生れ石」なのだ・・・・

子生まれ石は駐車場から50mほど入った幅1〜2mの渓流で、川岸の岩から「石の玉 」が突き出している。

形は、真球のものから、ソラマメ形、ひょうたん形、洋梨形などさまざまで、近くにある「大興寺」の住職の墓石には代々ひょうたん形のこの石が使われている。

大興寺は、室町時代に開山された曹洞宗のお寺で、ほぼ球に近い「丸い石」がご神体として祭られている。

大興寺歴代住職の墓石は加工されいないまゆ型の「子生れ石」が使われている。

地学的に「子生れ石」は、ノジュールといって堆積していく過程で内部に石灰質の「核」となるものを含み、固く膠結したものとされ、周りの柔らかい砂岩が、雨や風の浸食でこの石が落ちる様子が、まるで子どもが生まれるかのように見えることから、「子生まれ石」と呼ばれるようになったとされている。