2015.10
 

 


File number 004

パレンケの石棺
(古代の宇宙飛行士)

1952年6月15日、メキシコのチアバス州にあるパレンケで、考古学者のアルバート・ルース・ルイリエルが古代マヤの遺跡「碑銘の神殿」の地下で、パカル王の墳墓を発見した。
パカル王墓の棺は縦3メートル、横2.1メートル、高さ1.1メートル、重さは5トンの石灰岩をくり抜いたもので、中央に王の遺体が置かれていた。

その石棺の蓋に古代の宇宙飛行士がロケットを操縦している姿が彫られていたのだ!!

前傾姿勢を取った宇宙船のパイロット、エンジンや排気管、後部から噴射する炎・・・・まさに古代の宇宙飛行士そのもの。

この石棺のレリーフが広く知れ渡るきっかけとなったのは、宇宙考古学者エーリッヒ・フォン・デニケンの著書『未来の記憶』のなかで、古代の宇宙飛行士と大胆な仮説を述べたからだ。

マヤ文明の時代、このようなロケットがあったのだろうか?
手は操縦捍を握り、足をペダルのようなものに乗せている・・・、当時マヤの人々はすでに高い天文学の知識を持っていた事からも頷ける。



しかし、デニケンはレリーフの見る方向を間違えたのだった。
横から見るとロケットを操縦しているように見えるが、同じパレンケ遺跡にある他の神殿のレリーフを見れば横ではなく縦に見るのが正しいとわかる。


十字の神殿のレリーフ


葉十字の神殿のレリーフ

これらのレリーフのように縦にしてみると、謎がとけてくる。

いちばん上に鳥が止まっているのがわかる。
ケツァルコアトゥル、マヤ文明の聖なる鳥で神の使いとして描かれている。
このレリーフを横にすると鳥の向きがおかしくなってくる。

真ん中の十字の部分は生命の樹と呼ばれトウモロコシを様式化したものとされている。
そして、エンジンといわれるものは『地の怪物』と呼ばれるデザインとして知られているものだ。
この石棺のレリーフは宇宙船のパイロットではなく、地下世界と天上界に挟まれた現世から天上界へ旅立たんとするパカル王が描かれていたのだ。

入り口から見てこの向きに置かれている石棺を横向きに見るのは間違いだとわかるだろう。

王の遺体と一緒に、翡翠のマスクが発見された。

翡翠のマスクは王の遺体の上に置かれていたと考えられるが、発見当時バラバラになっていた。
復元調査・実験を重ね 現在の顔立ちになった。
昔の復元では、どっしりとした顔だった。

パレンケの石棺の古代宇宙飛行士説は、未だに謎に包まれたままだ。
しかし、この説は、古代マヤ文明の高度な技術や宇宙に関する知識を示すものとして、 多くの人々の関心を集めている。