人魚のミイラ ヨーロッパの伝説に出てくる人魚(マーメイド)は、上半身は美しい女性の姿をしており、下半身は魚のそれで優雅なヒレがついているとされている。 海に囲まれた日本にも、人魚伝説は残っている。 上半身は美しい女性というより、猿とかの獣に近い。 日本では人魚の肉を食べた物は不老不死を得るなど、人魚は多くの日本の神話上の動物と同じく、姿を変化させると伝えられている。 そのうちの一つ、高野山の麓にある西光寺の学文路苅萱堂の人魚のミイラ。 日本書紀に、推古天皇27年4月項に、近江国からの報告として「蒲生河に物有り。其の形人の如し」と記載されている。 それがミイラとなり、近江国出身の千里ノ前に受け継がれ、高野山の麓まで伝わったとされている。 人魚のミイラを納めた木箱のふたには、『日本書紀』と記されている。 鹿児島県・奄美大島にある奄美アイランドの博物館(原野農芸博物館)に、経文も一緒に安置されている人魚のミイラ。 CT解析 八戸南部家が所蔵していた人魚のミイラは、本格的に科学調査され青森県八戸市博物館に所蔵されている。 木箱におさめられた双頭の人魚のミイラで、体長は40cm程度。 国立科学博物館による分析の結果は、頭部は紙などの張り子で、口の部分には魚の歯がはめ込んである。
これら人魚のミイラをはじめ、江戸時代から明治にかけて見世物小屋ではカッパのミイラなど日常では見られないものが客寄せの1つになっていた。 江戸時代には、このようなミイラが多く作られた。
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