2020.9
 

 


File number 043

過去からのタイムトラベラー
セルゲイ・ポノマレンコの検証

セルゲイ・ポノマレンコを有名にしたのは、ウクライナのテレビ局「1 + 1」のテレビ番組「Time Travel」というドキュメンタリーだった。
内容についてはファイルナンバー041「過去からのタイムトラベラー セルゲイ・ポノマレンコの物語」を参照。

セルゲイ・ポノマレンコの物語は、精神科医パヴェル・クルティコフ博士によって語られているが、さまざまなメディアでの話は多少の違いがある。
例えば、ポノマレンコの姓がパラマレンコに変更されていたり、FEDカメラが日本製Yashimaflexになっていたりするが話の筋はあまり変更されていない。
1978年46歳の時、セルゲイは交通事故で死亡したというストーリーもあるが、彼のガールフレンドのヴァレンチナ・クリチによると、セルゲイ失踪(1978)後「彼は死んだ」と宣告されている。

4月23日クルティコフ博士との会話で、セルゲイは「私の名前はセルゲイ・ポノマレンコです。私は1932年6月17日にキエフ市で生まれました。」と語っているが、コムソモールチケットには1932年3月生まれと記入されている。


■検証 1 ビデオ録画に記録された日付

2006年4月23日の診療所のカメラ1のビデオ録画はWED(水曜日)表示になっているが、実際は日曜日。

姿を消した26日はFRI(金曜日)だ!実際の2006年4月26日は水曜日。
23日からのながれだとSAT(土曜日)と表示されるはず・・・この曜日のずれ(実際の曜日との違いも含む)は、時間移動したセルゲイの影響なのだろうか?
さらに、26日のクルティコフ博士との録画は、2006年4月25日の10:39を示している。

博士のオフィスから出た待合室のビデオ録画は2006年4月26日なのだ・・・

とても25日の10時39分から26日の17時23分まで部屋にいたとは考えられない。

■検証 2 50年近く保管されていたテープ。

国立公文書館に50年近く保管されていたラジオ番組のテープは、劣化することもなくクリーンに聞こえる。

■検証 3 未来から送られて来た写真。

未来のセルゲイからガールフレンドのヴァレンチナ・クリチに送られて来た、未来のキエフの前に立つ写真と、1978年失踪当時の手配書の写真を比べてほしい・・・・・。

風でめくれた襟、頭の髪はきれいに切り抜いているが同じ写真を使っている。
背景の建物は上海かニューヨークの建物の合成という意見もある。
さらに、コピー、ペーストされた建物がみえる。 サイズを除いて、それらは完全に同一だ。

これらの証拠からタイムトラベラー/セルゲイ・ポノマレンコの物語は事実でない事になる。


・・・・と、検証してみたが、この物語は2012年にウクライナで放送されたテレビドラマシリーズALIENの第3話「TIME TRAVELLER」だった。
タイムトラベルをしたポノマレンコ、バレンティーナも精神科医や警察官もすべて俳優が演じる架空の人物なのである。

テレビドラマのストーリーだったが、話だけが都市伝説化してしまったようだ。