2022.5
 

 


File number 057

富山県

尖山は日本ピラミッド?

富山市から県道6号で立山へ向かう途中、左手に美しい円錐形の山が見えてくる。
背後に北アルプスの秀峰が控えた、その名の通り先端が尖った標高559mの尖山(とんがり山)で、地元では「とがり山」と呼ばれて親しまれている。

昔は布倉姫という女神が住んでいたという伝説から、布倉岳と呼ばれていた。

綺麗な三角形をしており古代日本のピラミッド、UFOが離着陸する目標として築かれた山だという説があり、1970年代以降この尖山上空で数多くのUFOが目撃されたという。

県道6号線沿いにある「尖山登山口」



歩行距離4km(総歩行時間1時間50分)、登山道も整備され初心者向けの山。

山頂のいくつかの岩は磁気を帯びていて、磁石が少し狂う(落雷により磁気を帯びたと考えられている)。

尖山の山頂は円錐の先を真横に切ったように平らになっていて、見晴らしがいい。
ほぼ中央の大きな岩を囲むように、小さな岩がちらばっている。
酒井勝軍は、この岩の配列(ストーンサークル)が、日本ピラミッドの決め手になるという。

平成8年に行った,國學院大學考古学資料館の調査では、山頂から和鏡や土器、銅製品など平安末期から鎌倉時代とみられる祭祀の遺跡が発掘されている。

※酒井勝軍(1874年3月15日 - 1940年7月6日)・・・・・広島県の葦嶽山を「日本のピラミッド」とし、それ以降数々の日本ピラミッドを発見をしている。
日本ピラミッドは、元来あった山を利用し石積などで加工したものであると主張。
また、山頂に太陽石(磐座)があることも日本ピラミッドの条件になっている。

登山本道から外れた東斜面にある石積。
(尖山は海底火山のある地形で岩稲累層といわれる地形で、円錐形の海底火山とされている。かって火山から流れ出た溶岩が、ゆっくり冷え固まった柱状節理・・・のようだが・・)

登山道とは反対側の北斜面は、一面に敷き詰められたような石がゴロゴロ上の方まで続いている。
(これは岩海とよばれ、もともとこの場所にあった大きな基盤岩石に節理にそって割れ、長期間にわたって雨で破片は洗い流され、おおきな玉石が重なりあってゆるい傾斜の谷に残ったと考えられる)。

「竹内文書」によると、尖山は上古第24代天仁仁杵身光天皇(アメノニニギノスメラミコト)の神殿の跡であり、天皇はそこから天の浮舟に乗って、全世界を飛行したとされている。
酒井勝軍の尖山ピラミッド説は、この竹内文書の影響を受けている。

尖山には古くからの伝説がある。
『肯搆泉達録』によると、舟倉山の姉倉姫が、心変わりした夫の伊須流伎彦と能登姫に対して石合戦を仕掛けた。
この際に加勢したのが布倉山の布倉姫であったとされるが、この布倉山が現在の尖山であるという。

●布倉姫伝説
富山市の南、神通川の渓谷が富山平野に開ける所にある上新川郡大沢野町。
そこにある舟倉山に、三世紀の半ばごろ姉倉姫という神が居た。
この姫の夫は能登国石動山に住む伊須流伎彦であるが、伊須流伎彦は心変わりして能登国杣木山に住む能登姫を愛するようになった。
姉倉姫は憤り、伊須流伎彦と能登姫を相手に戦った。
その時、姉倉姫に加勢したのが布倉姫である。
能登対越中の大乱であるが、姉倉姫は舟倉山の石を投げ、布倉姫は布倉山の鉄を投げた。


登山口の近くにあるコンビニエンスストア「サンダーバード」