2023.4
 

 

File number 069

日本UFO奇譚@
甲府UFO事件
(山梨県)

甲府UFO事件とは、1975年2月23日に山梨県甲府市で2人の小学生が未確認飛行物体(以下UFO)と宇宙人らしき搭乗者を目撃したとされる事件で、日本国内におけるUFOや宇宙人関連の情報として著名な事例の一つとされている。

48年前の2月23日午後6時少し前事件は起こった。
Y君はその日、家族で甲府市上町にある親戚のK君の家に来ており、2人で近くの雇用促進住宅上町宿舎(市営上町住宅)の敷地でローラースケートをして遊んでいた。
そのときK君が、東にある達沢山上空にオレンジ色に輝く大小2つの飛行物体を発見た。


親戚どうしのK君(左)とY君(右)/事件当時7歳

不思議に思った2人が眺めていると、ひとつは北の愛宕山方向に向かって遠ざかったが、もうひとつはグングン接近し2人の頭上まで迫ってくると、上空で停止した。

頭上の物体は、空飛ぶ円盤(UFO)の形をしていて、底部に回転する3つの装置がついていた。
その中央からカメラの望遠レンズに似た筒状の物体が伸びてきて、「カチリ、カチリ」というカメラのシャッター音のような音がしたという。

怖くなった2人は、すぐ近くの福王寺の墓地に逃げ込んだ。
その後、UFOは墓地の上まで来たが愛宕山方向に飛び去った。

安心した2人は家に帰る途中、ブドウ畑の中にオレンジ色の光が燃えているように見えたのである。
少年たちは好奇心でブドウ畑へと向かった。



数十メートル手前まで近づいたとき、2人が見たのはブドウ畑に着陸した銀色に光るUFOだった。
恐怖心より好奇心が勝った2人は1メートル前まで接近していた。
UFOの大きさは直径約2.5メートル、高さ約1.5メートル。
表面は銀色で、回転する半球形のドーム部分には半透明の四角い窓が複数個あった。

少年たちは二手に分かれた。
K君はUFOの機体正面に黒い奇妙な文字みたいなものが書かれているのに気づいた。
さらに、UFOのドアから出てきた宇宙人を見た。

 

●身長約130cm
●髪の毛がない
●茶色い顔一面に深い横じわで3本の牙
●手の指は4本、足は二股に分かれたブーツ
●服は銀色で腰にベルト
●肩に銃みたいなものをさげていた
●耳はウサギのように長く中央に穴

UFOの後ろにいたY君もK君とは別の、文字みたいなものを観察している。
Y君が正面に向けて歩き始めた時、何者かに肩を叩かれた。
後ろを振り返ったY君は 「キュル-キュルー」という奇妙な声と共に、そこには宇宙人がいたのだ。

Y君はあまりの恐怖に腰を抜かし、その場にへたり込んでしまった。
K君は宇宙人がY君から離れたのを見計らいY君を背負い、その場から一目散に逃げ出した。
畑のはずれでY君を降ろし、UFOの方を見ると、開いたドアの中は 眩く光っていて計器類で埋めつくされていた。
小柄な宇宙人が椅子に座り、操縦桿のようなものを握って前方のスクリーンを見ていたという。

その日Y家族は日曜日ということもあり、Y氏にとって義理の兄にあたるK氏の家を訪問していたのだ。
両親達が一緒に夕食をとっていた、午後6時をすぎても子どもたちが帰ってこない。
そのため、ふたりの両親はそろそろ心配しはじめていた。

そのとき「円盤だUFOだ。宇宙人がいる!」と叫びながら、少年たちが家に飛び込んできた。
「何いってるの? もうご飯でしょ!」と言ったが、少年たちは家族らに今見たことを話した。
ただならぬ様子を見た母親たちは、 少年たちと一緒にブドウ畑へ行くと、UFOはまだ着陸していたが、オンレジ色に強く発光し白くなったかと思うと、徐々に小さくなり2〜3分で消滅した。
強く発光した中に横に歩いて行く宇宙人を見たという。


Y君の母親のスケッチ

その光景を見たK君の母親は、父親達を呼びに家に帰った。
消滅する直後、棒を持った父親達が現場に駆けつけた。

一家がUFOを見失った同時刻、保険外交員の女性Sさんが車で移動中、ドンドンという打上げ花火のような音を聞いた。
すると、狭い道の中央に立ちふさがるように2人の男の子が立っているのに気付いた。
2度クラクションを鳴らしたが動こうとしないので、ゆっくり避けて通ろうとしたそのとき、1人が車のフロントガラスに手を付け、車の中をのぞきこんできたという。


保険外交員Sさんのスケッチ

顔は黒く目の下はまっすぐでクシャクシャの上まぶた、鼻のようなものはあった。
手のひらは真っ黒でシワだらけで、手首が亀のように黒くてこれもシワだらけ・・・
もう一人の怪人も、まったく同じ顔をしていた。

Sさんは恐怖心を抑えつつ、逃げるように道を南下すると、道の先から棒を手にした子連れの男女のがやってきて(K君、Y君の家族)、Sさんの車を止めた。
Sさんが「なんですか?」とたずねると、男性に「UFOを見ませんでしたか?」と聞かれた。

Sさんは、先程見た正体不明の人のようなモノとUFOを結び付けられず、「いいえ、知りません」と答えその場を後にしたという。


UFO着陸現場


ローラースケートをしていた当時の市営上町住宅と逃げ込んだ墓地


状況を説明する2人

翌日2人がクラスでUFO目撃事件を話し、大騒ぎになった。
担任のU教諭が昼休みに2人を連れて現場に行くと、ブドウ畑の中央付近にへこんだ部分があり、2人はそれが着陸脚の跡だという。

一報を受けた「山梨日日新聞」の協力で現地調査が行われ、次ような物的証拠が見られた。
・ブドウ畑のコンクリート製の柱が1本折れ、2本が傾いたり倒れていた。
・柱の上に張られたブドウのツルを這わせるための金網は、重い物を乗せたかのように大きく広がっていた。
・金網の針金はゆるんでいたが、切れてはいなかった。
・地面に数か所の穴とリヤカーの轍のような跡があった。

他にも、K君宅から約300メートル東にある甲府市環境センターの管理人のA氏が、同時刻に明滅する物体が飛ぶのを目撃。


A氏夫妻

「あれは六時半頃だったかなあ。犬がほえるので、ちょっと外に出たんです。工場まで見に行って戻って来ると、それがカチャカチャ光ながら、ゆっくり北の方向に動いているんですよ。
飛行機でもないし変な物があるなあと思いながら、しばらく見ていたんですが、夕食をすませに家に入ったんです。」とA氏は言う。
その他、日の出団地に住むD子ちゃんも、家のベランダからUFOを目撃している。