●タイム マシンを作った男
1995年の初め、マイク・マーカムはまだ21歳で、電気技師でした。
マーカムはアメリカミズーリ州スタンベリーにある自宅で趣味の電気工作をしていました。
彼はジェイコブズ・ラダーと呼ばれる装置を作っていたのです。
普通、2本の金属ロッドの間をアーク放電が下から上へと駆け上がっていきますが、 マーカムの改良された装置は、2つのコンパクトレーザーにより、極間の空気抵抗が低減し、アークはロッドの底に張り付き、ロッドの上に熱を発するキラキラと輝く直径18mmの球体が回転しながら浮かんでいました。
彼は不思議に思いテーブルにあったネジを渦の中に投げ込むと、目の前でその ネジが0.5秒ほど消えて、1秒後に3メートル先にその
投げ込んだネジが現れたといいます 。
何度か試してみても、やっぱりネジは0.5秒ほど消えて、1秒後に3メートル先に現れました。
これはビデオに録画する必要があると考えている間に、負荷がかかってレーザーが加熱し発火しました。
●マーカムは偶然にタイムマシンを発見したのです。
彼は偶然にタイムマシンを発見したのです。
ところが彼はタイム マシンを効果的に機能させるためには膨大 な電力供給が必要であるという問題に直面 しました。
当初の計画は変圧器を購入する予定でしたが、それらはかなり高価で手が出せない金額でした。
彼は、地元の変電所に、放置してある6台の古い変圧器があることを知りました。
ミズーリ州キングシティの電力会社から6台の300ポンド以上の変圧器を台を盗んだのです。
実験テストを始めると、なんと彼の家の 周り数ブロックが大規模な停電を引き起こしました。
やがて、警察の捜査が入り変圧器を盗んだと いうことで1995年 1月29日 逮捕されました。
数ヶ月の投獄でマーカムは釈放されました。
●大型タイムマシンの開発
刑期を終えた彼は、アメリカの「超常現象と科学」で人気集めるラジオ番組 「コースト・トゥ・コースト・AM」の司会者アート・ベルのゲストに招待されました。
彼はネジの話とタイムマシンを作る計画を語ります。
今後は合法的に実験を行うことを誓い、インタビュー中、「まだ別の実験をしたいと思っているが、お金も予備部品も持っていない」と語り。自分の電話番号を教えました。
多くのリスナーから、3日間ひっきりなしに電話がかかって来ました。
アイデア、資金、スペアパーツをマーカムに共有してくれたのです。
支援者の一人はカンザスシティの大きな倉庫をまるごと1つ提供してくれました。
リスナーの協力と寄付により、彼の次回のタイムマシン プロジェクトは以前のものよりも強力で、はるかに大規模なものになったのです。
オリジナルはキロワット率で動作しましたが、今回は3メガワット向けに設計されました。
彼は自分自身を実験台にし、マシンをテストしたかったからです。
マシンのスイッチを入れると上空に幅1.5mの熱を発して回転する輝く球体が出現しました。
高所作業車の作業台に乗って15メートルの高さまで上昇したマーカムは、眼下の輝く球体めがけてモルモットを放り投げました。
するとモルモットは球体に飲み込まれ消えたのです。
モルモットは倉庫の駐車場の敷地で無事見つかりました。
何度も実験を繰り返し、モルモットが発見されるのは決まって倉庫の東西方向でした。
この原因をマーカムは地球の磁場の影響かもしれないと言っています。
●消失
「コースト・トゥ・コースト・AM」のアート・ベルは約1年後、1996年、再びマイク・マーカムをゲストとして迎えました。
このとき、マーカムは、タイムマシンの完成まであと30日と語っていました。
彼は番組の中ので「今回は 人間が行けるぐらいの大きな装置だから僕が行ってみるっ」と言っていました。
アート・ベルの「じゃあ何を持ってくの?」のインタビューに、彼は「過去か未来かわかんないけど携帯電話 だけ持っていく」と答えています。
翌年1997年、マイク・マーカムはそれ以来音信不通となったのです。
マーカムが失踪して間もなく、リスナーからアート・ベルの番組に電話があり、彼が見つけた奇妙な話を話しました。
1930年代、警察はカリフォルニアの海岸で男性の死体を発見したというのです。
男性は奇妙な金属管の中で顔も認識できないぐらい潰された状態で遺体と一緒に謎の装置が 発見されたそうです。
電話をかけてきた人は、その装置は携帯電話に似ていると言いました。
これが、過去に行ったマイク・マーカムではないかと話題になりました。
多くの情報源では、物語はここで終わります。
しかし、 後にマーカムが意図的に世間の目から遠ざかることを決めたことが判明しました。
このことは、2015年9月4日のアート・ベルの新しいラジオ番組「ミッドナイト・イン・ザ・デザート」での出演で明らかになります。
マーカムは話します。
球体に飛び込んだ瞬間、閃光弾が爆発したようなまぶしさで何も見えず、ドシンと裂ける音がして何も聞こえなくなった。
身体にダメージはなかったがしばらく動けなかった。
ようやく異常な精神状態から立ち直って歩き出したとき、マーカムはタイムマシンのあったミズーリ州カンザスシティから北東へ1300kmも離れたオハイオ州フェアフィールド郡の農場にいたといいます。
なんとかシンシナティのホームレス宿泊施設までたどりついたが、自分が誰なのか名前すら思い出せなかったそうです。
記憶は数ヶ月でほとんど戻りましたが、その過程で驚くべき事実を知りました。
タイムマシンに飛び込んだ1998年から数ヶ月の間に2年が経過していたのです。
マーカムは一瞬で2年の月日と1300kmの距離を飛び越えてしまったということです。
その後マーカムは工場のパートで働き、ようやくカンザスシティのタイムマシンのあった倉庫に帰って来ました。
しかし、彼を待っていたのはタイムマシンどころか何もないからっぽの倉庫でした。
タイムマシン実験の状況を記録したビデオも日記もすべて消え去っていたのです。
マーカムが一番落胆したのは彼を援助してくれた支援者たちの名前をまったく思い出せなかったことでした。
現在のマーカムはオハイオ州に住んでおり、たまに仕事をしながら、インターネットや科学雑誌を読んで過ごしていると、2015年のアート・ベルの番組で語っていました。
以上がタイムマシンを作ったマイク・マーカムの物語です。
2022年2月にマイクはRedditのパラノーマルフォーラムに最新情報を投稿し、彼は元気でハワイに住んでいるといっていましたが、その後オハイオ州に戻ったと言う話もあります。
確実なのは1995年、マーカムは6つの 変圧機をえ発電所から盗んで逮捕された後、1995年1996年、2015年の3回、アート・ベルの番組に出演した以外はマーカム本人なのかは確認できていません。
アート・ベルが2018年4月に亡くなった今となっては、真相は闇の中です。
マイク・マーカムは本当にタイムマシーンを作ったのでしょうか?
それとも援助してもらった資金を持って消えたのでしょうか?
3回のアート・ベルのインタビューを聞いて、あなたが判断してください。
アート・ベルのインタビューは【アートベルインタビュー】
●1回目(1995)コースト・トゥ・コースト・AM
https://youtu.be/OeNlYsUBydI?si=RXnBUQGj9kdVhBQ9
●2回目(1996)コースト・トゥ・コースト・AM
https://youtu.be/n2iDlCTsUtU?si=hj81KwglpU8LPQmH
●3回目(2015)ミッドナイト・イン・ザ・デザート
https://youtu.be/_7pWGYcRvj4?si=DlnGXEPkSaxI4hi5