2017.2

時空を超えたありえない物語があるとしたら、
あなたはそれを信じることができるでしょうか?
この物語は、一人の男が未来から来たと主張し、世界を震撼させた事件です。
その男の名はアンドリュー・カールシン。
彼は自らを未来からの訪問者と称し、周囲を驚かせました。
彼が残した言葉や、行動の数々は一体何を意味していたのでしょうか?
その言葉は真実を含んでいたのか、それとも巧妙に編み出された都市伝説に過ぎなかったのか?
また、彼が単なる狂言師だったのか、今も多くの人々を惹きつけてやみません。
これから、その禁断の扉を開き、アンドリュー・カールシンを巡る謎の真相に迫っていきましょう。 

2003年1月28日、アンドリュー・カールシンという男性がSEC(証券取引委員会)の要請により、インサイダー取引の疑いでFBIの捜査を受けました。
アンドリュー・カールシンは、800ドルの元手を株の取引によって、わずか2週間で投資ポートフォリオ(投資有価証券)を3億5,000万ドル日本円で約420億円以上に増やしたといいます。

さらに信じ難いことに、126回の全ての取引に成功し、株式トレーダーたちはカールシン氏に何か異常なことが起きていると疑い始めました。

逮捕されたカールシンは「なぜ短期間に巨万の富を築くことができたのか?」と捜査官の問に、「私は2256年からやってきたタイムトラベラーです」と答えました。
未来からやってきたカールシンは、この時代の株価の動きがすでにわかっていたと白状したのです。

株式市場の歴史を知っている人なら誰でもそれを利用して金儲けをしているといいます。

カールシンは、タイムトラベラーということを証明するために、後に起こるアメリカがイラクに侵攻する日を予言、オサマ・ビン・ラーデンの居場所などを語り始めました。
もちろん、FBIはそれをまともに取り合わず、また、米国証券取引委員会(SEC)も、インサイダー取引であるとして報告をまとめました。
逮捕されたカールシンの資産は凍結され、収容されることとなります。

FBI はカールシンの2002年12月以前の彼の行動をたどろうとしましたが、誰一人として彼の関連情報を得ることができませんでした。
まるで、その日以前にカールシンが存在しなかったかのよに・・・・。

2003年2月25日付けのアメリカの大衆紙『ウィークリー・ワールド・ニュース』にカールシンが未来からやってきたという記事が掲載されました。
後にYahooのニュースとして主流メディアに引用された言われています。

ところが、収容からほどなくして、匿名の人物が彼の保釈金100 万ドルを支払い、2003年3月に彼は釈放されたといいます。

2003年4月29日、ウィークリー・ワールド・ニュースの記事では、電話でカールシンのインタビューに成功したことを書きました。
カールシンは、2007年に公開しようとしている会社の設立でトロントにいると語ったと書いています。

そしてその後、カールシンは忽然と姿を消したのです。

この事件は、Weekly World Newsというタブロイド紙が報じた記事が発端であり、この新聞は事実に基づかない奇抜な話を掲載し、多くの記事がフィクションであることが知られています。
そのため、この事件の真偽は、信頼できるニュースソースではありません。

2003年3月25日、「Weekly World News」というタブロイド紙に "TIME-TRAVELER BUSTED FOR INSIDER TRADING"(タイムトラベラー、インサイダー取引で逮捕される)というタイトルの記事が掲載されました。

その後、2003年4月29日に "TIME TRAVELER SKIPS TOWN!"(タイムトラベラー、町を抜け出す!)という続編記事も掲載されました。

そして、ウィークリー・ワールド・ニュースの2つの記事を見てください。
そこにはアンドリュー・カールシンの写真が載っていますが、2人の異なる男性の写真です。

このニュースが発表された後、多くのマスコミ関係者がカールシンに関する情報を調べようとFBIに問い合わせたところ、FBI職員全員が「私はその男のことをこれまで聞いたことがない」と同様に否定したことが判明しています。
SECに確認したところ、アンドリュー・カールシンの名前も証券取引所に上場されていないことが判明しました。

アンドリュー・カールシンの話は、この新聞が創作した完全なフィクションです。
実在の人物や出来事に基づいていません。

この話は2003年にインターネット上で広まりましたが、実際にYahooニュースに掲載されたかどうかについての具体的な情報はありません。

アンドリュー・カールシンの事件は、都市伝説として、人々の間で語り継がれています。
しかし新聞の見出しにある写真は誰なのでしょうか?。
今日まで、まだ誰も知りません。

2024年の現在ではAIによる、架空の人物を生成出来ますが 2003年にはそのようなAIはありませんでした。
最後に、新聞に載った顔の持ち主はいったい誰なのか? という謎が残りました・・・。

その後、同様のタイムトラベラーを自称する人物が登場することもありましたが、いずれも真偽は不明です。

このような話が広まった背景には、タイムトラベルというテーマが多くの人々にとって興味深いものであり、金融市場での成功や失敗が注目を集めやすいテーマであることが影響していると言えるでしょう。